4)溜め込んだ情報を抜くとホントがわかる
それにしても、現代の情報化社会には目を見張るものがあり、かつては秘伝とされた武術の技も、治療家の手技も、スポーツ選手が能力を高める秘訣も、案外YouTubeなどで簡単に見ることができます。それぞれが有料級といってもいいでしょう。
その情報量も年々、幾何級数的に増え続け、最後はどこまで行くのかわからないぐらいです。
ただ、人間が発信するこの情報の世界も、先ほどの反転の法則で述べたように、いずれそれらが全く消えた世界に転じる可能性があります。
身近な例として、ずっと都会のハイテク社会に育った人間が、突然田舎暮らしを始め、テレビもインターネットもない世界に満足を得るようなものです。
するとそこでは、自然そのものが持つ情報を、いずれキャッチできるようになるのです。一切、人間の作為や偏見の入っていない情報といえましょうか。
自分の目で、自分の身体で掴んだ情報ほど正確なものはありません。
私も二十代からは都会暮らしが長かったですが、縁あって白川神道という古神道、そして言霊学という学びを甲府の地でさせていただくことにより、自然の五行、あるいは空気や大気そのものに、生き生きとした非言語の情報があることを実感できました。
それは、それまで自分に溜め込んできた人工的な情報をすべて抜くことで初めてキャッチできるものです。そのことに昔も今も変わりありません。また、然るべき手順を踏めば、スピードの差こそあれ、人間なら誰にでもできることとわかります。
が、現代は、そうした教えや作法が目の届く範囲に存在しないため、有象無象の情報に踊らされ、何が本当に自分のためになる情報なのかわからないことに問題があろうかと思います。
けれども結局は、情報化社会が始まる前の、もっと言うと、古神道や言霊学すら始まる前の古代日本人の生き方に秘密があったわけです。
